HOME > 動物別症例集 > > 貧血

動物別症例集

< 犬・猫の異物の誤飲  |  一覧へ戻る  |  デグーの尾の腫瘍(脊索腫) >

貧血

ダックスには免疫系の病気も多いです。

貧血とは、血液中の赤血球が少なくなった状態を言います。
赤血球は肺から全身に酸素を運ぶ役割をしているため、貧血が進行すると全身が酸素不足になり、生命維持ができなくなってしまいます。

症状は、歯茎が白い、元気がない、すぐに息が上がる、と言ったものが一般的ですが、検査で偶然見つかる場合もあります。

貧血の原因には色々な種類があり、治療法も異なります。
それぞれの原因に対する治療が必要なので、まずは詳細な検査を行います。血液検査・レントゲン検査・超音波検査の他、全身麻酔で骨から細胞を採取する骨髄検査が必要な場合もあります。

また、貧血の程度や進行具合によっては、複数回の輸血が必要なこともあります。

①失血性貧血
事故による大量出血のほか、お腹の中の腫瘍の自潰(破裂すること)によっても起きます。
ウサギのメスでは、子宮疾患による持続的出血でこの状態になります。
出血部位の特定と、速やかな止血治療が必要になります。緊急手術の場合も多く、輸血が必要になる場合も少なくありません。

②腎性貧血
腎臓では、赤血球を作るホルモンが作られています。腎臓病が進行すると、このホルモンが不足し、赤血球が作られなくなります。
進行は比較的緩やかですが、元気や食欲が低下していきます。週1~3回不足したホルモンを注射することで一時的な改善がみられます。

③免疫介在性貧血
体の免疫機能が、赤血球を誤って破壊してしまう病気です。破壊される赤血球のステージにより、免疫介在性溶血性貧血、非再生性貧血、赤芽球癆、再生不良性貧血といった名前がついています。治療は免疫抑制剤の内服薬が主体になりますが、反応が見られず亡くなってしまうケースもあります。

④感染性貧血
寄生虫やウイルスなどが原因となり、引き起こされる貧血です。
犬ではダニが媒介する寄生虫の感染により、赤血球が破壊されます。マダニの予防をしっかりすることで防げる病気です。
猫では、ヘモプラズマと呼ばれる微生物や、猫エイズ・猫白血病ウイルスに関連した貧血も知られています。

⑤ホルモン性貧血
ホルモンが過剰に分泌されることで起きる貧血もあります。それぞれの過剰なホルモンに対する治療になりますが、性ホルモン関連の病気であれば、避妊・去勢手術で予防が可能です。
フェレットでは、副腎疾患に伴うホルモン性の貧血が起きやすいです。

⑥中毒性貧血
玉ねぎ中毒がよく知られていますが、ネギ類は赤血球を破壊し、貧血を起こします。

⑥その他の病気による貧血
他の病気が原因となり、赤血球が作られにくくなる場合があります。基本的には、それぞれの原因に対する治療となりますが、コントロールが難しい場合も多いです。

ギャラリー


カテゴリ:

< 犬・猫の異物の誤飲  |  一覧へ戻る  |  デグーの尾の腫瘍(脊索腫) >

このページのトップへ