動物別症例集

ウサギの歯根膿瘍

After

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右の鼻が膿瘍で大きく膨らんでいます。これから手術で排膿し、殺菌作用のあるクリームを入れます。

歯根膿瘍(しこんのうよう)とは、歯の根っこの部分に細菌が入り込み、大きな膿瘍(いわゆる「おでき」)を作る病気です。
根尖膿瘍、根尖周囲膿瘍、などとも呼ばれます。

ウサギの歯に不整咬合や過長症などのトラブルが生じると、歯根部に細菌が入り込み、膿瘍を形成します。
膿瘍は、上顎や下顎にできものとして触れるようになります。また膿瘍のできる場所によっては、呼吸器症状や眼球の突出などが起こります。

ウサギの膿瘍は飲み薬では効果が見られないことが多く、全身麻酔下での切除が理想です。完全切除が難しい場合は、抜歯や排膿・消毒を行いますが、完治は難しく、長期にわたる治療が必要になります。

治療には色々な試みが報告されています。多くの場合、膿瘍を開放創(わざと傷口を開けておく)にし、自宅や病院で洗浄・消毒を繰り返します。
通常の消毒薬で治療困難な場合、殺菌作用のあるクリーム(カルシペックス®など)を注入することもあります。

一度なると完治が難しいことが多いため、予防が何より大事になります。
詳しい予防法は、「不整咬合」の記事を参照してください。

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