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動物別症例集

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ハムスターの皮膚型リンパ腫

リンパ腫のキンクマ(ゴールデンハムスター)。顔の周りに皮膚炎が認められます。

リンパ腫とは、リンパ球と呼ばれる血液細胞が腫瘍化したもので、悪性腫瘍(いわゆる「癌」の仲間)に分類されます。

多くの動物で認められる病気ですが、ハムスターの中ではゴールデンハムスターで多くみられます。
ハムスターのリンパ腫は、皮膚に主に症状が出る「皮膚型」と全身に主に症状が出る「多中心型」が主に報告されます。

「皮膚型リンパ腫」の症状は、強いかゆみと皮膚炎が特徴的です。進行するにしたがって、かゆみにより怒りっぽくなったり、脱毛の範囲が広がり、かさぶたや腫れが増えてきます。
簡易的な検査や通常の皮膚炎の治療(抗生物質・抗真菌剤・消炎剤など)で改善が認められない場合、この病気も疑うことになります。
診断を確定するためには、皮膚病変を作る他の病気(ホルモン異常など)の除外と、麻酔をかけて皮膚の一部を切り取る「皮膚生検」を行います。

治療は抗癌剤が理想的ですが、使用可能な薬が限られる、薬による副作用が強く出る恐れがあるなどの問題があります。このため、あえて抗癌剤を使わず、免疫賦活剤や消炎剤などを用いた緩和治療をとることも少なくありません。

同じ齧歯類のデグーでも、同様の症状で皮膚型リンパ腫が強く疑われる症例を経験しています。

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