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トカゲの代謝性骨疾患について
獣医師が解説します。
1.代謝性骨疾患とは
代謝性骨疾患と聞くと骨の問題やカルシウムの問題とされがちではある病気です。
一般的にはくる病などとも呼ばれますが、くる病とは正式名称を骨軟化症といい、【骨や軟骨の石灰化障害により、類骨(骨のもととなる骨器質)が増加する病気】と定義されており、骨成長前の小児に起こる骨軟化症をくる病と言います。
なので、爬虫類における血中のカルシウム濃度が低下する低カルシウム血症をきっかけに発症する病気を“代謝性骨疾患(Metabolic Bone Disease=MBD)”とまとめて呼ばれるようになりました。
爬虫類の飼育において、ごはんや環境を完全に再現することは難しく、様々な要因によってこのような栄養性疾患が爬虫類ではとても大きな問題となっております。
2.爬虫類の栄養学
爬虫類の栄養性疾患は一般的に認められる疾患で、多くは主に【ビタミンD(Vit D)】、【ビタミンA(Vit A)】、【カルシウム(Ca)】の異常に関連しています。今回はまず、これらの栄養素について解説していきたいと思います。
2-1:ビタミンD(Vit D)
Vit Dは脂溶性ビタミンとして知られており、哺乳類では消化管でのCaの吸収を促進するとても重要な役割を担っています。それだけでなく、Vit D3(コレカルシフェロール)は体の中で重要な役割を果たす様々なステロイドホルモンの前駆物質であり、免疫反応やインスリンの分泌、筋肉の収縮性、生殖器官の発達などに関連していると言われています。
このVit Dは爬虫類でも哺乳類でも、皮膚で紫外線の働きによって作られます。この時の紫外線の波長は290-315nmでこれはUVBと言われる波長にあたります。この波長の光はガラスを透過することが出来ないと言われており、もし爬虫類を日光浴させたい場合はガラス窓越しではなく、直接あるいは網戸越しが理想とされています。
現在様々なサプリメントが発売され、様々な研究が行われていますが、爬虫類におけるVit Dは様々な意見があります。トカゲ類においてはいくつかの研究が報告されているが、多くの種では経口摂取によるVit D3補給は効果が無いとされており、UVBの照射とともに行うことで骨格異常などを防ぐ効果があることが分かっています。
2-2:Vit A
Vit Aはレバーなどの動物性食品やβ-カロテンを含む緑黄色野菜に含まれています。Vit Aを摂取する際はレチノール(動物性食品に豊富)か、β-カロテンの状態で摂取することがほとんどであり、体内でVit Aに変換されます。爬虫類ではその吸収や体の中での働きがまだ解明されていない部分もありますが、グリーンイグアナの研究ではβ-カロテンを摂取させても体内のVit A濃度は上昇しなかったとの報告もあり議論が分かれています。
Vit A欠乏症はハーダ氏腺炎が有名です。トカゲの食事に使用される昆虫類はVit Aの含有量が低いことも知られています。Vit Aが不足することにより、眼瞼の中にあるハーダ氏腺が腫れるのと、涙腺の腫脹、細胞片の蓄積が原因となり目が開けられないほどの腫れを引き起こします。そのほかにも免疫力が低下するためカメ類では呼吸器感染症を引き起こすことで有名です。
Vit Aは欠乏症も有名で問題ですが、過剰症になりやすいことも有名です。サプリメントの過剰摂取もありますが、Vit A欠乏症として診断した場合、獣医師がVit Aの過剰な注射をすることで引き起こされます。治療を行う上で仕方がない部分もありますが、十分な注意が必要です。重篤な皮膚炎や食欲減退を起こす可能性があります。
2-3:カルシウム(Ca)
Vit D、Vit Aの章でも述べたようにCaはホルモンの調整を受けて体内に吸収されます。
多くのトカゲの食事に使用される昆虫類にはCaはあまり含まれておらずサプリメントを混ぜることが主な補給方法になります。この方法には2種類あり、ガットローディングとダスティングがあります。
ガットローディング:CaやVit D3、Vit Aなどの栄養を昆虫に食べさせてから、その昆虫を食べさせる方法。
ダスティング:餌となる昆虫に直接サプリメントをかけてから食べさせる方法
どちらの方が良いかなどの根拠となる報告は見つかっておりません。どちらにも長所があり短所があるので、ご自身の爬虫類の好みや餌となる昆虫の状態、自分のやりやすさなどから決めていきましょう。
3.トカゲの代謝性骨疾患
3-1:原因
上述したような栄養素の欠乏が認められることが一般的です。
以下にそれ以外の原因もまとめていきます。
・Vit Dの不足とその代謝産物の不足
・Vit A、Ca、リン(P)の不足
・カルシウムを調整するホルモン産生の変化
・エストロジェンの過剰産生
・運動不足 など
3-2:症状
・体重減少
・食欲不振
・筋肉の震え/不全麻痺/痙攣/チック様症状(顔をぴくぴく動かす)
・正常な体位を維持できない(筋力不足)
・病的な骨折
・排卵前期卵停滞、難産
・四肢の腫れ(骨が腫れる)
・カメレオンでは舌が出し入れしにくくなる
3-3:診断
・病歴の聴取によりCaやVit Dの不足
・症状
・血液検査:低Ca血症
・レントゲン検査:骨の異常(骨皮質が異常に薄い、骨折がある、骨が腫れているなど)
3-4:治療
・Caの補給
・UVB光の照射
※Caの補給の方法はCa製剤(グルコン酸カルシウム)の注射もしく経口的なCa剤補給のどちらかになります。
軽症であれば経口補給でも問題ないかと思いますが、痙攣を起こしたり、立てなくなっているような重症例では注射によるCa補給が最も効果的です。
MBDを疑う所見があったらすぐに爬虫類が診れる動物病院を受診しましょう。
4.予後
MBDは一般的によく見られる疾患でありながら、命にかかわる病気でもあります。重症の場合は治療に数か月要することもあります。軽症の場合は注射だけで症状が改善することもあります。
5.まとめ
・MBDは爬虫類で比較的よく遭遇する疾患です。
・原因は様々だが、よくあるのはビタミンD、ビタミンA、カルシウムの不足が多いです。
・サプリメントによるカルシウムの補給とUVBの照射が大事です。
・食欲不振、体重減少、神経症状が主にみられます。
・命にかかわる病気なので、疑わしい、もしくは心配なら爬虫類を診れる動物病院を受診しましょう。
(ココニイル動物病院) 2024年9月30日 09:00
猫の歯肉口内炎
皆様は、猫の歯茎が赤く腫れているのは見た事がありますか?見たことがある人はイメージできると思いますし、それは歯肉炎で間違いないと思います。ただ、今回は名前にあるように歯肉口内炎です。歯肉炎のみではなく、口峡部(口腔の奥側)までが赤く腫れてしまう疾患のことを言います。最近では、尾側口内炎や口腔後部口内炎と呼ばれることが増えてきています。歯周病とは別疾患と区別されます。一般的に、歯肉口内炎に罹患した猫はその程度にもよりますが、QOLの低下が認められることが多いです。その理由としては強い疼痛が挙げられます。疼痛の影響で食事量や飲水量が減少し、体重減少および脱水を引き起こします。最終的には衰弱してしまい、高齢の子や病気持ちの子にとっては命取りになることも少なくありません。
症状としては、口腔内の疼痛、流涎、出血、食事の際に顔を傾けて食べる、ぽろぽろドライフードをこぼす、ドライフードを食べずにウエットフードしか食べない、口をくちゃくちゃさせるなどがあります。
発症原因は現在も特定されていません。しかし、FIV(猫免疫不全ウイルス)/FeLV(猫白血病ウイルス)やカリシウイルス、様々な口腔内微生物の関与が疑われております。また、歯の周囲に増殖する微生物に対する過剰な自己免疫反応も原因と一つと考えられています。これらより、当疾患は単一の原因だけではなく、微生物とそれに関わる免疫の過剰反応により、複合的に引き起こされる疾患であると言えます。
治療として第一に選択されるのは、麻酔下での抜歯です。症状が重度の症例は、全臼歯抜歯や全顎抜歯を行います。(全臼歯抜歯→切歯犬歯以外を抜歯すること、全顎抜歯→歯を全て抜歯すること)。何故抜歯が必要なのか?抜歯は可哀そうではないのか?と疑問を持たれる方も多いと思います。出来る限り我が子の歯を残してあげたいという気持ちも非常に良く分かります。ただその思いで残していた歯が、負の方向に働いてしまうこともあるのです。そもそも原因が口腔内微生物にあると考えられているため、口腔内微生物が新在する環境では再発してしまいます。歯が存在する限り、歯の表面や歯周ポケット内など歯の周囲に付着し続けてしまいのです。一度クリーニングしたとしてもすぐに再付着してしまう為、根本の解決にはなりません。そのため、口腔内微生物の数を減らすために根本解決として歯の除去、要するに抜歯が必要になるのです。治癒率としては、統計上全臼歯抜歯で60-70%、全顎抜歯では80-95%となります。ただ5-10%の症例では術後も完治することなく、内科療法を併用していかなければならない場合もあります。
一方で、麻酔がかけられない子には内科療法による対症療法が選択されます。この時に一番大切なのは、内科療法ではいつか治療に限界が来てしまうことを理解しておくことです。使用される薬剤としては、ステロイド薬や抗菌薬、免疫抑制剤等があります。特にステロイド薬は、抗炎症や鎮痛として最も効果が見られます。しかし、効果がある反面副作用が多くあるのも事実です。そのため、麻酔処置が可能な子は、麻酔下での処置を勧めさせて頂くことになります。
上記は猫の歯肉炎の写真です。(上顎の歯肉の赤くなっている部分)
歯肉口内炎は、この炎症が口峡部でも起こります。
猫の歯肉口内炎は歯周病と違い、歯の残根(歯が折れて、歯根が残ってしまうこと)が治癒の妨げになりかねません。当院では処置後に歯科用レントゲンを撮ることで、残根した歯が無いことを確認し手術を終えます。もしも、皆様の家族の一員である猫さんにこのような炎症があったり、食事をとりづらそう等の症状がありましたら一度診察を受けることをお勧め致します。
(ココニイル動物病院) 2024年7月 2日 15:31
犬猫の歯周病
犬と猫の歯周病
犬や猫は2-3歳のおよそ8割程度が歯周病を罹患していると言われています。
さて皆様、歯周病とは何だと思いますか? 虫歯のことでしょう?と思いましたか?
じつはそれは違うんです。歯周病とは歯周炎と歯肉炎の総称です。初期段階を歯肉炎、その後進行すると歯周炎を併発します。重度のものを人では歯槽膿漏と呼んでいます。こちらは聞き覚えがあることかと思います。ちなみに、虫歯のことは齲蝕歯(うしょくし)と呼び、病態としては全く別のものになります。この病態の違いは、口腔内のPHの違いにより生じます。PHがアルカリ性では歯周病になりやすく、PHが酸性であれば齲蝕歯になりやすくなります。犬や猫では、口腔内のPHは8-9とアルカリ性であり、人の口腔内のPHは6.5と酸性です。そのため人と異なり、犬や猫では歯周病に罹患する確率が高くなっているのです。
では、ここで歯周病のメカニズムを説明しましょう。
唾液には糖タンパクが含まれており、これが歯の表面に被膜を貼ります。ここに口腔内の細菌が付着し増殖することで歯垢(プラーク)が形成されます。その後、細菌によってバイオフィルムと呼ばれるフィルム状の膜を貼ります。このバイオフィルムによって歯垢が保護され、内部に存在する細菌もが守られます。この状態では抗生物質を飲んでも口腔内細菌を減らすことは出来ません。そうこうしている内に、細菌によって歯周組織(セメント質、歯槽骨、歯根膜)が破壊されていきます。こうして歯周病が悪化していき、取り返しのつかない状態へと進行してしまうのです。ちなみにですが、歯石とは、歯垢が唾液中に含まれているカルシウム成分によって石灰化したものを言います。その変化は、犬では3-5日間、猫では1週間とされています。一度付着してしまった歯石は自然に取れることがありません。歯周病の悪化には様々な要因が関わっていると考えられています。病気や構造上の面では、糖尿病/栄養不良/免疫系の異常/皮膚病/不正咬合/乳歯遺残などが、生活上の面では、遊び/癖/食事内容などが示唆されています。
歯周病が悪化した場合に生じる疾患として、①根尖周囲病巣②口腔鼻腔瘻③眼窩下膿瘍④外歯瘻⑤顎骨骨折などが挙げられます。以下に病態をまとめます。
① 根尖周囲病巣…歯根の先端=根尖周囲の炎症が起こっている病態であり、重度の子では下顎骨を溶かしてしまい⑤の顎骨骨折に繋がります。
② 口腔鼻腔瘻…口腔と鼻腔が繋がってしまう病態のことです。本来であれば、口腔と鼻腔は厚さ1-2mmの薄い上顎骨で隔てられています。しかし、歯周病が進行することで上顎骨が破壊されると、口腔と鼻腔が繋がってしまいます。これを口腔鼻腔瘻と呼び、鼻汁、くしゃみ、鼻出血などの鼻炎症状を引き起こします。
③ 眼窩下膿瘍…目の下のスペースに(眼窩下)に膿がたまり腫れる病態のことです。膿が溜まっては破裂してを繰り返すことが多いです。
④ 外歯瘻…炎症が顎骨を溶かして皮膚を貫通する病態のことです。その穴から出血や排膿することが多いです。ちなみに、炎症が皮膚ではなく口腔粘膜を貫通することを内歯瘻と呼びます。
⑤ 顎骨骨折…文字通り顎の骨の骨折です。歯周病により骨が吸収されて(溶けて)薄くなり、骨折を引き起こします。
⑥ 猫における破歯吸収病巣…歯の一部が溶けてしまい、出血や痛みを引き起こす原因となります。
これら以外にも、歯周病原因菌が血液中に侵入することによる菌血症や全身性炎症が示唆されています。要するに、心臓、腎臓や肝臓など全身の臓器へと影響を及ぼすということです。このことから、現在では歯周病は口腔内のみの病気ではなくなったと言えます。
まず第一に大切なのは、【歯周病に罹患しない】ということ。つまり、歯周病を予防するということです。主に歯ブラシやデンタルシートなどを使用した歯磨きを行います。始めは慣れずに嫌がる動物さんも多いと思います。そのため、始めから道具を使用して歯磨きを行うのではなく、口周りを触ることから慣れさせていきましょう。口周りを触られることに好印象を持ってもらうために、触ったら褒めながらご褒美を与えると良いと思います。徐々に慣れてきたら、口唇をめくったり歯茎を触っていきましょう。ここまで出来るようになったら次の段階です。デンタルシートを指先に巻いて優しく歯の表面を拭いていきましょう。デンタルシートにも慣れたらデンタルブラシの出番です。いずれもポイントとなるのは、慣れるまではご褒美を与えること、とにかく優しく行うこと、歯と歯茎の間をしっかりと行うことです。多くの方々が、汚れや歯石を取ろうと頑張り、力を込めてしまうことかと思います。ただ一度付いた歯石は取れることはなく、動物さんにとってはただ痛いだけの苦行になってしまいます。お互いの信頼関係を崩さないように優しく行いましょう。優しい力でも歯垢は取ることができますのでご安心ください。
また皆様が悩まれるのは、どのくらいの頻度でやれば良いのか?という点だと思います。頻度は上記に書きました通り、犬でも猫でも歯垢が歯石へと変わる時間が決まっていることを考慮し、最低でも3-4日に1回の頻度でやって頂くことをお勧め致します。もちろん理想の頻度は毎日ですので、可能な方は毎日行えたら良いと思います。ただどんなにデンタルケアを行えていても、数年たてば歯石が付着してくると思います。歯周病に発展している子もいれば、発展していない子もいる段階です。この段階での治療については原因の除去が第一に必要になります。歯周病の原因となる歯垢および歯石を取り除くことを目的として処置を行っていきます。その時は、スケーリング(歯石除去)が必要になります。スケーリングは、麻酔下において超音波スケーラーもしくはハンドスケーラーで行うことが一般的です。歯の表面に付着している歯石や歯垢を除去することは勿論のこと、一番大切なのは歯周ポケットの中のクリーニングです。このポケットの内部に歯垢等を残してしまうと、残された細菌による歯周組織の破壊は続いてしまいます。この結果、歯の見た目は綺麗なのに歯周病は進行してしまうという、矛盾の状態を生んでしまいます。確かに歯の表面のみの掃除は、見た目は綺麗になるので気持ち的にも満足感を得られることと思います。ただその一方で、歯周病の治療という意味では不十分になってしまうのです。そのため、歯石除去は麻酔下での実施が推奨されています。アメリカ獣医界のガイドラインでは、口腔内環境を守るために年に1回麻酔下でのスケーリングが推奨されています。
また、歯石除去を行っても温存できないと判断された歯に関しては、残しておくことで口腔内環境に悪影響を及ぼすため、抜歯が選択されます。
一方で、歯周組織が破壊されたことによって生じた歯周ポケットに対して、再生を促す歯周組織再生療法も存在します。歯周ポケット内をクリーニングした上で行いますが、全ての歯に適用できるわけではありませんのでご注意ください。
⇧
(歯周病の犬の口腔内の写真)
歯の表面が変色している部分は全て歯石です。分かりづらいかもしれませんが、歯の付け根の歯肉も炎症を起こして赤くなっています。(歯肉炎)
当院では多くの症例で歯科レントゲン撮影を行い、温存できる歯なのか評価しています。温存できそうな歯は歯周ポケットを含めスケーリングを行い、温存できないと判断した歯は抜歯を実施しています。
歯は日常生活を送るうえでとても大切です。ご自宅のペットさんについて、上記の件などでご相談したいことがありましたら、いつでもご来院ください。
(ココニイル動物病院) 2024年6月 3日 15:23
狂犬病のお話し
狂犬病は犬だけでなく、人を含むすべての哺乳類で発症する病気です
狂犬病ウイルスは狂犬病にかかっている動物の唾液に含まれており、
その動物に噛まれたりすることで感染します
1度発症するとほぼ100%死亡する恐ろしい病気です
現在、日本では犬などを含め狂犬病の発生はありません
しかし狂犬病は日本の周辺国を含む世界のほとんどの地域で発生しています
万が一の侵入に備えた対策が重要です
飼い犬登録
生後91日以上の犬を飼い始めた方は、30日以内に市区町村で
犬の登録が義務付けられています
マイクロチップを装入されている犬は指定登録機関を通じて登録すれば
飼い犬登録されます
市町村が特例制度に参加していない場合、お住まいの市町村の窓口にて
狂犬病予防法で定められている手続きを行う必要があります
予防注射
生後91日以上の犬を飼い始めたら30日以内に予防注射を打ちましょう
翌年以降は毎年1回決められた時期に打ちましょう
予防期間
4月1日~6月30日
当院では狂犬病予防注射を行った際に杉並区、中野区の済票交付手続き代行を行っております
その際に、自治体から配布されるハガキをご持参ください
狂犬病予防注射は、自分の子を守るためだけではなく家族を、そして社会を守るために
必要なことですので期間内に接種をお願いします
(ココニイル動物病院) 2024年5月 7日 17:37
肛門腺絞りのコツ ~ワンちゃん編~
肛門嚢とも言い、猫や犬の肛門に左右対称にある袋状の器官です
この袋の中に臭いの強い分泌物が入っています
この臭いによって相手を認識したりマーキングにも利用しています
この分泌物が「肛門嚢液」、「肛門腺液」などと呼ばれています
分泌液は液体~ペースト状など個体差があり、色も様々です
通常排便の際、肛門腺が圧迫されて便とともにこの分泌液が排泄されます
しかし何かしらの事情で肛門腺が出し切れず、過剰に溜まってしまった場合、
肛門腺絞りが必要です
小型犬種や肥満、高齢の子は定期的に絞らないと分泌液が溜まりすぎてしまうことがあります
肛門腺が溜まりすぎることにより、肛門嚢炎や肛門腺破裂を起こしてしまうことがあります
肛門腺絞りの頻度
個体差にもよりますが小型犬~中型犬であれば1ヶ月に1回程度絞ってあげるとよいです
床にお尻を擦りつけていたり、お尻を気にしてよく舐めたりしていたら、
分泌液が溜まっている可能性があります
特に高齢のわんちゃんは、加齢とともに分泌液が溜まりやすくなるので
注意が必要です
肛門腺絞りのコツ
肛門腺は肛門部を時計に見立てて4時と8時の位置にあります
①ティッシュやウェットティッシュ等を用意する
②肛門腺の位置を確認し分泌液が飛ばないようにティッシュやウェットティッシュを肛門に被せる
③4時と8時の位置に親指と人差し指を置いて肛門に向かって
肛門腺を下から上に押し上げるイメージで絞る
注意点
肛門腺を絞る時は力を入れ過ぎず爪を立てずに指の腹を使って絞りましょう
肛門腺を絞る時は分泌物が勢いよく飛ぶことがあるのでできる限り
肛門をのぞき込まないようにしましょう
お尻を触られることが苦手なわんちゃんもいるため、お家で絞るのが難しい場合は無理をせず
動物病院に受診しましょう
肛門腺が詰まっている場合、破裂する場合もあるので病院へご相談ください
(ココニイル動物病院) 2024年4月24日 10:29
春も残り少なくなり、夏を感じる季節になりました♪
新年度が始まって早1ヶ月、新しい生活にはもう慣れましたでしょうか?
過ごしやすい季節となり、お散歩日和が増えましたね!
さて、5月は予防の季節です。
ノミダニ・フィラリア対策はもうお済みですか?
愛するワンちゃんネコちゃんのためにもしっかり準備しておきましょう♪
https://www.dropbox.com/scl/fi/q0rcuw3n0z1pi4bzwuncd/2405.pdf?rlkey=feeitsyj223xqmqonoib75v8b&st=szuknczm&dl=0
(ココニイル動物病院) 2024年4月22日 17:28
犬の挨拶
犬同士の挨拶は、お互いにお尻を嗅いだり、鼻と鼻をつけるようにして嗅ぎあい
お互いの性別や年齢、性質などを読み取り情報交換をすることでコミュニケーションをとる
大切な行動です
挨拶をさせる前に
犬同士で挨拶をさせる場合、相手の飼主さんに
「近寄っても大丈夫ですか?」「挨拶させても大丈夫ですか?」など
必ず一声かけてOKが出てから挨拶させるようにしましょう
挨拶時のポイント
お互いに落ち着いた状態で挨拶させる
過剰に警戒していたり、嬉しくて急に興奮が高まったりすると喧嘩などの
トラブルになってしまうこともあります
リードは緩めて近づけさせる
リードが常にピンと張っている状態で挨拶させるのは何かあったときに
止めやすい利点がありますが、犬の緊張や興奮度を高めてしまうこともあります
挨拶が苦手な子も
犬同士の挨拶が上手な子もいれば、元々の性格や子犬期の社会化の質、
過去の経験などの事情で犬が怖くて挨拶が苦手な子もいます
無理に挨拶させようとすると怯えて怖がったり、攻撃的になったりしてしまう場合もあるため、
愛犬のペースで無理せず慣らしてあげましょう。
過去の経験から犬が苦手になってしまった場合は、無理に仲良くさせようとしないことも大切です
まとめ
犬同士の挨拶は大切なコミュニケーションの時間ですが、犬同士にも相性があります。
飼主さんが愛犬の得意不得意をしっかり把握して、挨拶しているときの愛犬の様子を
見守ってあげることが大切です。
(ココニイル動物病院) 2024年4月22日 11:35
マイクロチップ
皮下に装着する為首輪や名札のように外れ落ちる心配はなく、耐久年数は約30年といわれていて、
一度装着したら生涯にわたって半永久的に使用することが出来ます。
令和4年6月より販売店で譲渡前にマイクロチップの装着が義務になり、ブリーダーやペットショップで
販売されている犬猫にはマイクロチップが装着されています。
マイクロチップの15桁の識別番号をもとに指定機関に登録申請することでデータベースに飼主の
情報と犬や猫の情報を登録することが出来ます。
番号の読み取りには動物病院や保健所などで取り扱っている専用の読み取り機を使用します。
また、体の中を移動しにくいように表面に特殊な加工がされており安全性も様々な
臨床試験により証明されています。
有名なのは犬猫への装着ですが小動物にも装着することが出来ます。
登録内容
動物の特徴
飼主さんの氏名
住所
電話番号 など
マイクロチップを装着したら装着から30日以内にこれらの情報を登録する必要があります。
マイクロチップが装着されている動物を譲り受けた(購入した)場合は、前の飼主で情報が登録されているため
登録の手続きではなく、変更の手続きが必要です。
どんな時に役立つ?
迷子や事故、災害時、盗難された動物が見つかった時など『もしも』の時にデータベースから
飼主の情報が分かり、飼い主のもとへ戻れる確率が高まります。
犬の情報や遺棄を防ぐこと、保護された飼主不明の犬の身元が分かることで殺処分を減らす目的もあります。
いなくなった際には念のため警察に届け出も出しておきましょう!
お家に帰れるまでの例
保護
↓
動物病院や保健所などにある専用の読み取り機で識別番号を読み取
↓
来院患者情報との照会や指定登録機関へ連絡
↓
飼主の連絡先が分かり次第連絡
↓
お迎えに!
最後に
マイクロチップを装着・登録することは、大切な動物たちを守ることにつながります
引っ越しや電話番号が変わった際には忘れずに登録機関に変更届を出し、
装着や登録した際に渡される証明書は大事に保管しておきましょう。
捨てられたり、保護されても飼主の分からない不幸な動物たちを減らし、
人と動物が共に暮らしやすい社会を目指していきたいですね
(ココニイル動物病院) 2024年4月 5日 15:07
日本獣医エキゾチック動物学会の症例検討会
口頭発表を行ってきました。
「爬虫類の雌性生殖器疾患における酢酸リュープロレリンの投与量の検討について」です。
同じエキゾチックアニマルを扱う獣医さんが一同に会する年に1度の学会です。
とても熱量が高く、日々アップデートされていくエキゾチックアニマルの診療を肌で感じました。
全ての動物たちに寄り添った医療を提供できるように日々邁進していきますので、
何卒よろしくお願いします。
(ココニイル動物病院) 2024年3月30日 15:33
ねこちゃんが食べてはいけないものpart1
猫ちゃんの食事のイメージって何ですか?
猫ちゃんのご飯はカツオ味やマグロ味など魚介類の味が多いと思います
それもあってか猫ちゃんのご飯=魚 というのが一般的なイメージかと思います
そこで今回は魚介類の中でも食べてはいけないものやあげるときに注意が
必要なものをご紹介いたします
青魚(イワシ・サバ・アジ等)
青魚に寄生しやすい「アニサキス」という寄生虫がいます
アニサキスは人のみならず、猫ちゃんにも害がある恐れが、、、
あげるなら60℃以上のお湯で1分以上加熱してからあげてください
但し、あげすぎにも注意が必要です
青魚に多く含まれる「不飽和脂肪酸」を摂りすぎると皮下脂肪や内臓脂肪に炎症が起きて
発熱が現れる「黄色脂肪症」の原因になりますので、あげる量・頻度は控えめにしてください
イカやタコの軟体類・エビやカニの甲殻類
生のエビやイカなどには「チアミナーゼ」というビタミンB1分解酵素が含まれており
ビタミンB1欠乏症になる恐れがあります
けいれん等の神経症状を起こし死に至る危険もあるので絶対に与えないようにしてください
完全に加熱処理すればチアミナーゼは失活しますが、元々消化しにくい食材ですので
加熱処理をしても嘔吐や下痢を起こすことも、、、
市販の缶詰類など魚そのまま使ってるのもあるけどどうなの?マグロ味とかあげて大丈夫?
魚そのまま使ってる缶詰類などはしっかり加熱処理を施しています
ただ、あげすぎには注意しましょう!
〇〇味に関しては魚そのままではなくエキス(有効成分を抽出したもの)を
使用していますので、こちらも安心してあげて大丈夫です
(ココニイル動物病院) 2024年3月29日 14:52
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