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動物別症例集

エボシカメレオンの卵閉塞

この写真はエボシカメレオンの卵塞を呈したレントゲン画像であり、下腹部に見られるぼこぼこした白い塊状のものは全て卵です。

基本的にエボシカメレオンの産卵数は多く一回あたり20~80個ほど産卵しますが、それができないことによって腹部にたまった卵により消化管が圧迫され、食欲不振、腹部膨満が見られます。

原因としては、産卵行動の前に行う掘る行動を満足にさせるだけの土がない場合や、紫外線不足、低気温などの飼育環境の問題や、カルシウム不足などの食餌の栄養の偏りなどがあげられます。

内科的治療としては、カルシウム不足による機能的卵塞を考慮し、カルシウム剤の投与や、卵管収縮作用があるオキシトシンの投与などがあげられますが、一般状態が低下している場合は内科療法よりも、外科的に摘出するほうが良い結果につながる場合もあります。


セキセイインコの精巣腫瘍

写真のように精巣腫瘍を呈してしまいますと腫瘍から女性ホルモンが多く分泌され、雄であるにもかかわらず、ロウ膜が角化亢進し茶色くなり、その他、太りやすくなったり、飛ぼうとしてもすぐに落ちたりすることもあります。

状態が進行すると、大きくなった腫瘍が消化管を圧迫し、食欲低下、吐き、便が出ないなどの、消化器疾患が見られたり、腹水が溜まり腹部膨満がみられ、肺を圧迫し呼吸困難になる場合などがあります。


治療としては、発情抑制剤を使用し、女性ホルモンの分泌を抑制します。
早期であれば精巣腫瘍を摘出することで完治が望めますが、リスクが高く、現在のところ実施されることはほとんどありません。


ハムスターの子宮蓄膿症

犬や猫と同じく、性ホルモンの乱れや細菌の感染によって、子宮に膿が溜まり、放置してしまうと死に至る恐ろしい病気です。

症状としては主に陰部から膿や血が見られ、重症例では子宮に膿が溜まることにより、腹部が膨らみ、食欲低下、元気消失が見られます。

治療法としては、卵巣子宮摘出術が主であり、外科的に摘出後は抗生剤により感染をコントロールと支持療法により管理します。
内科のみでの治療は、たとえ軽症例であっても効果は期待できないため、悪化し全身状態が落ちる前に外科的治療に踏み込むことが望ましいとされています。


ヒョウモントカゲモドキの栓子詰まり

栓子とはクロアカルサック内に定期的に溜まる黄色くて硬い塊のことで、クロアカルサックの中にあるヘミペニスの垢に汚れや膿などが溜まって栓子が形成されるのではないかと考えられます。

栓子は通常、自力で排泄されますが、排泄の機会を失うと時間とともに水分を失い、クロアカルサックに張り付いて、糞尿の排泄が困難になり、放置してしまうと、より汚れや細菌が付着され、栓子の付着部位から二次的に感染や出血、壊死し悪化してしまいます。

対処法としては、患部の付着している栓子を優しく剥離し、膿や壊死したところを除去し消毒を行い、抗生剤を投与することで細菌の進行を防ぎ、飼育環境を衛生的に保つことで傷の修復を試みます。


モルモットの食滞

症状としては急に食欲がなくなりあまり動かなくなる、ウンチが出ない、冷たくなってるといった症状を示し、季節の変わり目、特に春と秋の気温が変動する時期の換毛期に多くみられます。

原因としては、千差万別であり、毛球だけでなく急激な気温の変化や台風など異常気象、食滞とはまた別の病気や体の異常によるストレスによっても、食滞を引き起こす原因となります。

重篤度においては症状によっては、治療するとすぐに回復する軽いものから数日の放置で亡くなることもある位重篤なものまで幅が広いため、早めの診察や治療をお勧めします。

消化管の状態により、輸液や消化管の機能を改善する薬や食欲増進剤の投与など行いますが、消化管が完全に詰まっている場合は、とても痛いので鎮痛剤の投与を行う場合があります。


モルモットの尿石症

尿石症の発生要因としては、カルシウムや、ビタミンDの含有量の高い食餌や、飲水量の不足、不衛生な環境における細菌感染などが考えられますが、遺伝的素因も大きく考えられます。

尿石による尿路閉鎖が起きてしまいますと、排尿時に痛くて鳴いたり血尿や頻尿がみられ、食欲不振になって腸内細菌叢のバランスも崩れて消化器疾患も併発することもあります。

治療は外科的に摘出することが主流とされています。内科的な治療としては抗生剤や鎮痛剤の投与が考えられますが、尿結石の自然排泄は確実性が乏しく、外科と内科、両方の処置をすることが望ましいとされています。


トゲオイグアナの皮下膿瘍

爬虫類の膿瘍の症状としてはドロドロの膿が患部に充満して炎症を起こすというより、膿がチーズ様の塊となって皮膚が破けてコブのように腫れてくることが多いです。

膿が固形で腫瘤のように存在している場合、抗生剤の内科治療だけではなくなることは少なく、基本的には外科的に摘出後、患部や飼育環境を清潔にし抗生剤の投与も行うことで再発を防ぎます。

今回のように皮膚が寄せられないような場所であれば膿瘍の摘出後、無理に皮膚を寄せて縫合しても癒合しない場合が多いので、あえて縫合はしないで感染を抑えながら自然に治癒するのを待つほうが主流とされています。


ツノガエルの感染性皮膚疾患

外傷、不衛生な環境、不適切な飼育、ストレス等が重なり、免疫力が低下することにより発生します。
発症当初は軽症でも、放置してしまうと、全身に紅斑や潰瘍、炎症が進行し、皮膚呼吸や浸透圧の調節が困難になり短期間のうちに、皮膚体腔膜穿孔が見られたり、敗血症を起こし命を落とすこともあります。

治療として、清潔で適した環境管理、消毒、抗生剤や抗真菌薬の投与や薬浴、穿孔が重度の場合は縫合も行いますが、全身状態が悪化した個体におきましては予後が悪いといわれております。

発症しないためにも、清潔で適した温度、湿度の環境管理、外傷の起きにくいレイアウトにすることや、過密飼育や過度なハンドリングを避けるなど、ストレスを最小限にすることを意識し、軽症でも迅速な環境改善や、早期治療を行うことによって悪化を防ぐことが重要となります。


ウズラの総排泄腔脱

鳥の総排泄腔脱は産卵後、卵管や排泄腔に傷や腫れが残ってしまい、次の産卵時、イキミが持続して起きてしまうことが一般的です。

また腫瘍などによる物理的圧迫により併発してなってしまうこともあります。

放っておくと排泄腔が腐ってしまい、過度な疼痛によるショック、壊死部からの細菌感染により、死に至るケースもあるため、早急に脱出した臓器を体腔内に戻す必要があります。
再脱出する際は、排泄腔を縫合し物理的に脱出を防止します。その際に抗炎症薬や抗菌薬で腫れや細菌感染をコントロールします。


ニシアフリカトカゲモドキの機能的卵閉塞

トカゲの雌性生殖器疾患である卵閉塞の主な症状としては食欲不振、腹部膨満であり、卵殻形成によるカルシウムの大量消費のため低カルシウム状態となり、卵管平滑筋の反応を低下させ難産を助長させたり、元気の消失や神経症状もみられる場合もあります。

治療法としては、水和状態や栄養性の問題を考慮し、補液やカルシウム剤の注射を行ったり、産卵を促すためオキシトシンなどのホルモン注射を行うこともあります。
生殖器自体に異常がみられたり、内科療法が無効であった場合は外科的処置も一つの手段として挙げられます。
また治療だけでなく、産卵床は適切か、環境ストレスはないか、などの飼育者の飼育環境の見直しが最も重要な改善の糸口となる場合もあります。


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