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動物別症例集
陰嚢ヘルニアのウサギ
陰嚢ヘルニアのウサギ
ヘルニアとは、体の臓器が本来あるべき場所からはみ出てしまう病気のことです。
中でも陰嚢ヘルニアは、精巣が入る袋の中に体内の脂肪や膀胱などがはみ出してしまう病気です。
膀胱がはみだすと、おしっこが出なくなるなど危険な状況になる可能性もあります。
元の位置に戻せたり、おしっこに普通に出れば問題ないこともありますが、急変リスクもあるため手術をすることもあります。
このウサギさんの場合は手術前にはおしっこが出にくいなどの症状があったのですが、手術後はしっかりおしっこが出るようになってくれました。
ヘルニアの場合、こまめに体を触ってあげたり、定期的な健康診断で気づくこともあるため、ちょこちょこ見てあげることが大事です。
コクシジウムのフトアゴヒゲトカゲ
コクシジウムのフトアゴヒゲトカゲ
健康診断で来院されたフトアゴヒゲトカゲさんの便検査で
比較的良く出会う寄生虫がコクシジウムです。
特に症状もない状態で偶発的に見つかることもありますが、
症状として、元気食欲が減ったり、吐いたり、体重が減ったりすることもあります。
治療には飲み薬を院内で飲ませたり、お家で頑張ってもらったりします。
早めに発見できれば、無症状で予防することもできるので、爬虫類の飼育始め(特にワイルド個体)には便検査をオススメします。
陰茎脱のリクガメ
陰茎脱のリクガメ
リクガメさんの陰茎が出たままになってしまう病気です。
繁殖期に陰茎を傷つけてしまったり、その他の要因があったりで起こるのですが、
根本的な原因の精査とともに出ているのが本当に陰茎なのか?
調べたうえでやはり戻らなければ外科的に切り取ることも検討しなければならない状態です。
放置することで、壊死していく可能性もあるため、
長期的に出っぱなしになるようであれば、動物病院に相談いただければ幸いです。
心臓病の猫
心臓病の猫
心臓病はいくつかの種類があるのですが、猫ちゃんでは肥大型心筋症という心臓の筋肉が太くなるタイプが多いといわれています。
しかし、猫の心臓病はそれいがいにもいろんなタイプの心筋症が認められるため、エコーなどをしっかり見ていく必要があります。
また、心臓病ではないのに心臓病のように見えることもあるため、いろんな検査を組み合わせて診断する必要があります。
症状としては、無症状…つまり見た目上元気なのに心臓病を持っている子もいます。
そして、進行した後で重篤な症状が表れたり、血栓が詰まり突然死したりすることもあります。
病気として、見つけられにくく、症状が出た時には取り返しのつかない状況のこともあるので、
健康診断などで早めに診断できるといい病気の一つですね。
アレルギー性皮膚炎の猫
アレルギー性皮膚炎の猫
ノミや食物などの抗原に対してアレルギー症状を起こすと
猫ちゃんに痒みを伴った脱毛や赤みなどの皮膚症状を引き起こすことがあります。
診断には、アレルギー以外の痒みを引き起こす病気を除外したり、
食事変更や試験的な駆虫薬の使用など、様々なアプローチが必要となります。
アレルギー疾患のコントロールには通年の投薬や食事の変更が必要になることもありますが、
痒いのはけっこう辛いので、症状がきれいに収まってくれるといいですね。
※ちなみに、ノミや食物以外の抗原が原因となる「非ノミ非食物アレルギー性皮膚炎」というのもあります。
アレルギーは奥が深いですね…
骨盤骨折の犬
骨盤骨折の犬
散歩中に車と接触してしまったり、3階から落ちてしまったり、大きな事故によって骨盤が折れてしまうことがあります。
骨盤骨折が起こってしまったときには、歩行に異常がでたり、排便の異常が起こったりします。
また体に大きな力が加えられたことが考えられるので、骨盤以外の骨や内臓器にも問題が起こる可能性があります。
この子は幸い骨盤以外に大きな異常が認められなかったので、骨盤の骨折部をきれいに合わせて、プレートという板で固定する方法で治療を行いました。
肝葉捻転のウサギ
ウサギの肝臓がねじれてしまう病気です。
ウサギの救急疾患の一つとしてあげられる病気の一つです。
治療として、外科処置が必要となることもある病気ですが、
症状として、良くあるウサギの胃腸うったいと似ているため注意が必要です。
食べない、元気ない、お腹痛そうなどの症状が治療していても改善なかったりする場合には
血液検査やエコーも積極的に行って肝臓の評価をすることも大事です。
猫 尿管結石
尿管という、腎臓から膀胱までの道のところに石が詰まる病気です。
腎臓の機能がどこまで残っているか?
完全に詰まっているのか?
本人の状態がどうなのか?
によって治療の進め方が変わってはきますが、
根本的に取り除くには外科的に取り出す手術を行うこともあります。
取ればそれで終わりではなく、
再度石が出来ないか?
腎臓の機能は維持できているのか?などこまめな検査が必要となります。
小鳥 トリコモナス
小鳥のトリコモナス
小鳥さんの口からそのうにかけて寄生する原虫の一種です。
セキセイインコや文鳥をはじめ、小鳥さんで認められることが多いです。
症状としては、無症状のこともありますが、
食欲が減ったり、オエオエ吐きそうになったり、口をベロベロ気にしたりする様子が認められることもあります。
親から子供へ、口移しでご飯をあげるときに移ったり、
発情の吐き戻しで移ったりするすると考えられています。
他の子に移っちゃう可能性を減らすためにも
同居鳥と一緒にする前にそのう検査をして、検出しておくといいですね。
ハリネズミ 絞扼
ハリネズミ絞扼
ハリネズミさんに限らず、
小動物全般に言えることですが、
足にひも状のものが絡んで締め付けられてしまうことがあります。
今回の症例では
犬の毛を疑うひも状のものがハリネズミさんの後ろ足に絡んでしまっていましたので、
絡んだ毛をピンセットとハサミで細かく外していきました。
酷く絡んでしまった場合、足先に血流が行かなくなってしまい
最悪、壊死してしまうこともあるため、早めに外してあげることが大事です。
絡まっている毛を外した後も、
血流が無かったり、自分で噛んでしまう場合には
足ごと切断しなければいけなくなることもあるので注意が必要です。
良く見る例では、
お家の隠れ家の布の切れ端や糸が絡まることが多いので、
もし使っている場合は糸のほつれが無いか?穴だらけになってないか?
確認してみると良いと思います。