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動物別症例集

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ウサギの胃消化管症候群(毛球症)

胃が液体でパンパンに膨れています。この子は内科治療で良くなりましたが、手術になった子もいます。

草食動物であるウサギは、食べた草を盲腸の中で発酵させて栄養を作り出しています。
そのために、常に胃腸を動かしていることを前提とした体の仕組みをしています。

ウサギは一方で、環境ストレスや体調の変化で胃腸の運動が低下しやすい側面も持っています。
中には急激に胃拡張を起こして他の臓器や血管を圧迫したり、胃腸に穴が開いてしまう場合もあり、最悪そのまま死に至ります。

食欲や胃腸運動の低下には、主に以下のような原因が考えられます。
・自分の被毛が胃や腸でフェルト状に絡まることで、胃腸の閉塞を起こす(いわゆる「毛球症」)。
・環境の変化などのストレスにより、胃腸の運動が低下する。
・ペレットや野菜メインの食生活による、食事内の繊維質不足。
・他の病気や痛みにより、胃腸の運動が低下する。
・異物の誤飲による腸閉塞。

通常は注射や飲み薬での治療がメインになりますが、口や鼻からチューブを入れて胃の減圧をしたり、緊急手術が必要な場合もあります。

普段から高繊維の食事(牧草)や、環境ストレスへの配慮、こまめなブラッシングなど、予防を心掛けましょう。
特に換毛期は調子を崩しやすいので、予防的な薬の投与もお勧めです。


食欲がなくなったウサギは病態の進行が急なので、少しでも様子がおかしければ速やかな受診をお願いします。

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